『あるこくはく』という作品は、第11回せんがわ劇場演劇コンクールに出場する際に書いた台本で、コンクールの規定により30分以上40分未満という短編となりました。短編だから気楽に、とはならず、立ち上げに苦労した記憶があります。普段なら、長い期間エチュードを行って俳優から出てくる言葉を探っていったり拾っていったりするのですが、今回は台本先行という形で、配役と俳優の生理が合致した言葉ではない気もしています。でも、演劇ってそもそもそうだったな、といったことを思ったり、稽古で俳優たちと一緒にセリフの解釈を練り上げていく作業は思いの外たのしいものでした。

今回SCOOLで上演する『あるこくはく [extra track]』は、価値観を巡る話である『あるこくはく』と、SCOOLで上演するにあたって新たに書いた『[extra track]』の二本立てとなります。この二つはある箇所で分かちがたくつながっており、同時に上演することで違うものが見えてくる、といいなと思っています。
言うまでもありませんが、他者に対する想像力を持つ、そのことを諦めずに創作を続けていきたい。
試行錯誤の連続に付き合ってくれた吉増さん、藤代くん、鈴政さん、橋本さんと、さまざまな部分で力を貸してくれている渡邉くん、制作の大橋さんに、この場を借りて感謝の言葉を送らせてください。

皆様におかれましても、本日は変わらず感染症の不安の中、三鷹のSCOOLまで足をお運びいただきありがとうございます。心よりお礼を申し上げます。
演劇が現実から生み出されるものであるなら、観劇後も思考が続いていますように。

細川洋平

あるこくはく [extra track]
2021年6月19日(土)〜6月22日(火)＠SCOOL

作・演出
細川洋平

登場人物
汐田愛海・・・ 鈴政ゲン
　　四葉・・・ 橋本つむぎ
　汐田父・・・ 吉増裕士
　　　石・・・ 藤代太一

スタッフ
音響：nujonoto／衣裳・小道具：ほろびて
宣伝美術：寺部智英／宣伝写真：細川洋平
演出助手：渡邊綾人／制作：大橋さつき
企画・製作：ほろびて
協力：ダックスープ　舞夢プロ　ナイロン100℃　リボルブ方式

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『あるこくはく [extra track]』のアンケートにぜひご協力ください
→　https://forms.gle/8H7rDzWYUpRAhQiz6

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今後の予定

■細川洋平
【舞台脚本】
さいたまネクスト・シアター最終公演『雨花のけもの』
（作：細川洋平　演出：岩松了）
2021年8月5日(木)〜15日(日)@彩の国さいたま芸術劇場　小ホール
https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/90427/

■吉増裕士
【舞台】ケムリ研究室 no.2『砂の女』
（原作：安部公房　上演台本・演出：ケラリーノ・サンドロヴィッチ）
2021年8月22日(日)〜9月5日(日)@シアタートラム
2021年9月9日(木)〜10日(金)@兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
http://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/kemuri_no2

■橋本つむぎ
【映画】『マーブルダンス(仮)』
（監督 鈴木宏侑）
現在公開未定、映画完成後、映画祭へ出品予定
その他、公開待機作品あり

ほろびて
『ポロポロ、に（仮）』
2021年10月27日(水)～11月1日(月)＠北千住BUoY
作・演出：細川洋平
出演：浅井浩介、齊藤由衣、はぎわら水雨子、藤代太一、和田華子（青年団）
制作：大橋さつき
詳細順次公開していきます。ご期待ください。